しわ寄せがいって一番困るのは子どもたち
Hさん:わたしも教員で、大阪府退職教職員協議会というところで一緒の仲間です。子どものなかでも大人に一番近い高校生について、選挙権を得た主権者がいるにもかかわらず、とても大事にされてないと感じています。たとえば維新の会が、高校無償化というのをしました。一見、親世代からするとすごく助かることに思える。けれども、私立が無償だから行けたという子達が、その後どうなるかというのは、やっぱり世間にあまり見えていないような気がしてます。
公立の、学力的にはしんどい子どもたちが行っていた遠くの公立高校がね、私立が無償化になったら定員割れでなくなるんです。生活ぶりやその子の特性を見て就職まで面倒見てきた学校が。そして地域で名前の通った私立学校に、どこでも行けるようになってると。
その私立では、1クラスか2クラスはとっても手厚い教育がされ、学力の高いクラスがある一方で、そうした子達はまるですぐにでも就職しなさいというような保育コースだとか、福祉コースだとかに入ることになるんです。18歳選挙権が導入される時に、高校生に向けて主権者教育のための講座を選挙管理委員会がやったことがあって、そのメンバーの一人だったので、わたしもそのたまたま、その高校に行って知りました。3年生の全クラスの子どもたちと話す機会があって、クラスの格差、扱いの違い、目の当たりにしました。その特進クラスの子らだけ、わたし達にアピールするために選ばれて残っていたり。
名前の知れた私立に行ったら就職に困らないだろうという期待というか幻想というか、そういうものを持って親も子も入るわけです。けれども、出口の保証はまったくないです。まったく。経済的に困窮した家庭の子が、どこも就職することができなかった時、家に病気で働けない親しかいなかったら、生きていくのに劣悪な環境だったら、政策の悪いところが全部子どもにしわ寄せがいってしまいます。無償化になってから時間が経ったので、親も気づき始めてます。さまよう卒業生をいっぱい作っている現実も見てほしいなと思います。
居場所のある社会を実現してほしい
Iさん:大阪市地域女性団体協議会で事務局をしていました。ところが、政治が変わった途端に、そういった居場所を全部潰されて、地域で活動してた人達も、おせっかいやりたいのに居場所がないわ言うて10年経ちます。エネルギーをどないしようか持て余しますので、ぜひ集まる場所をリニューアルオープンしてもらえると嬉しいです。
北野:この居場所作りって本当に大事で、いろんな方々がいらっしゃるなか、居場所があってわいわいがやがや、いい知恵を生み出していく。こういう力があったからこそ、これまでいろんな復興やったり立ち直ってきた部分があります。そういった先輩方の思いや経験をバッサリと切り捨ててきたのが、この10年だったんじゃないかっていう検証をしっかりしていきたい。わたし達がこんな風にしたいっていうのだけじゃなくて、これまでをしっかりと踏まえた反省とかがあってこそだと思います。とてもいい意見をありがとうございました。
谷口:どうも、本当にきょうはありがとうございました。
日時|2023年2月16日(木)17〜18時
参加者|国際女性年大阪連絡会有志20名ほど
谷口真由美、北野たえこ
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