おおさかラウンドテーブルvol.1 女性2人が首長になったら、大阪は変われるんちゃうか

Cさん:さっき大事なこと言い忘れてしまって。女性二人が立候補して、ここも国際女性年連絡会というところですから、女性の話がメインになるんですけど、わたしは子ども情報研究センターの人間なので、子どもたちが社会から置き去りにされてるなーっていうのを感じていて。大阪の泉南市で、子ども条例があって、行政に声を上げていたにもかかわらず自死に至った男の子がいました。ちゃんと教育委員会に訴えたのに、声が届かなかった。

家庭<学校<地域<自治体<国、そうやってどんどん大きくなればなるほど子どもの存在が透明になっていく面があるように感じてます。子どもの声を、大人が、親から聞いて済んだ気になっているようなところがもう、上から(目線)でしかないなって感じてます。

わたしも皆さんも子どもだったし、子どもの時にいっぱい理不尽なことを感じてるはずなのに、そういう人達が大人になっても、やっぱりその理不尽なことを子どもに強いちゃてるんじゃないか。政策のあちこちに「市民」っていう言葉が使うなら、その「市民」に子どもを入れてほしい。ぜひお願いしたいと思います。

北野:本当にしっかり子どもさんを見つめていらっしゃるのがよくわかります。子どもっていうのは小さな大人だと言われることがありますよね。こども家庭庁っていう立て付けに、魂を入れていく作業っていうのが必要で、それはトップダウンじゃダメ。お仕着せであってはならなくて、やっぱりボトムアップでいくには、やっぱりこういった車座会議とか、いろんな方々に参画してもらうべきですよね。

谷口:子どもの権利条約には「意見表明権」があります。自分と関係のあることについて自由に意見を言う権利です。それを行使してもらうためには、それができるんだよっていう環境を整えるのがすごく大事。

市民っていう言葉にはもちろん、子どもも皆さんも入ってないとおかしい。でも実際は疎外された感じをもつってこと。2月に荻上チキさんと共著で、『きみの人生はきみのもの: 子どもが知っておきたい『権利』の話」という本をNHK出版から出したんです。宣伝じゃないですよ(一同笑)。

子どもたちが困った時に、アクセスできる場所があるってことを自分で読んでわかるようにかつ、大人もちゃんと言えよというものを書かせてもらいました。あの、北野さんにも、読んでゆうて無理矢理お渡したんで。

北野:いただきました(笑)。はい進めていきたいなと思って、ありがとうございます。

参加者の女性の写真

Gさん:大阪府退職女性教職員の会から来ました。わたし、ずっと大阪府や大阪市の政治のやり方にすごく腹が立ってるんです。とくに、市立高校を大阪府立にするという件、いまこれは裁判にもなってますけどもね。中身に問題があるのに、もう何が何でも一度言うたらやっていくっていうような政治の下で、学校現場はそれこそずっと居心地の悪さを感じてます。去年、大阪市立木川南小学校の久保敬(くぼ・たかし)前校長が松井市長に提言を出されましたけど、本当にテスト・テスト・テストで、「学力テストのための練習のテスト」なんかに子どもも教職員も追いまくられてます。緊急事態やーオンライン授業やー言うて、設備も全然整ってないのに現場に丸投げしたり、そんな政治をもうお終いにしたい。

北野:おっしゃる通り、市立高校の府への移管は係争中です。やっぱりどう考えても、あの3年連続で定員割れすると廃校というルールを作ったりとかも、やりたい放題としか言えない状況でして。子どもたちも先生方も疲弊しています。教育の改革じゃなくて改悪が行われているということですよね。

多感な柔らかい心を持った子どもたちも、すぐ大きくなります。だから、その子達に引き継いでいくこれからの大阪市あるいは大阪府をよくしないといけない。そのためにもいい教育をしないといけない。しわ寄せがいって一番困るのは子どもたちですから。

次のページ
しわ寄せがいって一番困るのは子どもたち