おおさかラウンドテーブルvol.1 女性2人が首長になったら、大阪は変われるんちゃうか

歴代女性知事は日本でたったの7人

北野:これまでの政策では報われなかった方々の声を聞いて、その方達を真ん中に引っ張ってくるような。そんな政策立案が必要。そのために女性の議員や首長を増やさないといけないといけません。

谷口:歴代女性知事って日本で7人しかいないんです。歴代ですよ。大阪でとかじゃなくて、日本全国で7人しかっていうと、なかなかの数字ですよね。そして、国会議員の女性の割合が衆参あわせて約15%です。北野さんのおられる大阪市議会は2割強ですかね。

北野:そう、でも2割強で声届くわけないんですよ。女性の候補者を増やしたらセーフじゃなくて、当選者を増やさないと。そもそも選挙出よう思ったって、男の人より障壁が多いですから。子育てや健康問題、介護なんかのライフステージや、ワークライフバランスのことが重くのしかかっています。やってみようかなっていう人が手を挙げやすい社会にしてかなあかんのんちゃうかなって。朝一番に鳥の唐揚げ作ってお弁当包んでから朝駅に立つなんてこと、美談なんかじゃないんですよ。
Dさん:根底に家父長制があって、それがあるからガラスの天井を超えられへんのんやろって思うけど、それを女性が、お二人が超えへんかったら、誰が超えるんですか。

谷口:超えさせていただきたいなと。もちろんね。わたしは上野(千鶴子)先生や竹中(恵美子)先生にとてもお世話になったので、竹中先生に相談したことがあるんです。子どもを産んだら研究が遅れる。先生どうしようって。おんなじキャリアの男性らがみんな準教授とかになっていて、学会発表をいっぱいしていくのに、わたし、全然できひんのですって。

そしたら、「大丈夫よ谷口さん、女は長生きだから」って(笑)

「(後からでも)長くやればいいんだよ」って言われた時にすっと憑き物が落ちました。そうか、おんなじように定年迎えようと思ったからダメだったんだ。わたしもそこはイメージが貧困だったと思いました。男の人がね。早く引退するかもしれへんからわたしは息長く頑張ろうってその時思えたんですよ。そうやって先輩方からわたしもエンパワーされてきたので、わたしも次の世代の女の子達を励ましていきたいなって思ってます。

Eさん:女性の高等教育に問題意識を持ってます。昔からある課題ですけども、たとえば自分のおうちに男の子と女の子がいて両方が大学に行きたいって希望した時に、家計が厳しい場合、男の子を優先して大学に行かせるとかいうこと。部落解放同盟大阪府連の女性部で、2008年に大阪の部落女性の実態調査をしまして、子どもが女の子の場合、男の子の場合っていう風に設問を分けて聞いたら、やっぱり女の子やったら高校ぐらいまででいいんじゃないか、やっぱり男の子やったら大学まで行かせたいわっていうのが、数字として出てました。同じことを求めた時に、女の子の方が後回しにされるっていうことが、いまもずっと続いてるんじゃないか。女性があきらめないで済む仕組み作りをぜひお願いできたらなと思ってます。

Fさん:重ねて。先程ワークライフバランスという言葉が出ましたが、ぜひそこをワークライフ「ケア」バランスと言ってね、改善していってもらいたいです。ケアっていうのは、長い歴史のなかで育児と同様に女の仕事とされてきて、しかも無償労働でした。2000年にやっと介護保険制度ができましたが、その介護のとこで働く人ら、ヘルパーさん達は8割が女の人です。それで一般の労働者との賃金格差がいま8万円くらいある。意識を根底から変えないといけない。そもそもワークライフケアバランスを考えていくとか言って、労働時間の短縮をせなあかんところを企業が二の足を踏んでるのもおかしい。

谷口:これ、わたしは個人的に搾取の構造だと思っていて、それはたとえば保育士さんとかもおんなじかなと思ってます。北野さんと二人で詰めてます。

北野:いま、いいお話を聞かせていただきました。形にしていけたらと思います。

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市民のなかに子どもを入れてほしい