会見冒頭、西村代表が挨拶
会見冒頭、アップデートおおさか代表を務める西村貞一さん(サクラクレパス社長)から挨拶がありました。現府政・市政をある程度評価しつつも、大阪経済の相対的な低下や東京を超える全国ワーストの新型コロナの死者数、大阪IRに関する情報不足などを指摘しました。
その上で、「大阪をもっとより良くしたいという意味では、もう少しその(現府政・市政の)上をいくような政策をしっかりやっていかないと良くならないのではないか。そういう思いでアップデートおおさかという名前でこの会ができました。私も微力ながら考え方に共感するところがございますので、代表を引き受け、頑張らせていただこうと思っております。」と代表就任の理由を語りました。
アップデートおおさかの設立趣旨
続いて、事務局長の小西禎一さん(大阪府元副知事)は設立の趣旨について「今の大阪はいい面もあるけれども、まだまだいろいろな課題や問題がある。大阪の未来に向けて府政・市政をアップデートしていく必要がある」と説明。
「市民の意見を持ち寄り、市民の力を結集して、そして市民のための大阪の政治を実現していく。そういう道筋を創っていく必要があると強く感じている。これまでの維新対非維新という対立構造で府民に選択を迫るのではなく、もう一度地方自治の原点に立ち戻って、住民自らが地域の政治や行政をつくっていく。」と目指す政治の方向性について語りました。
また、プラットフォームとしての役割については、春の統一地方選挙において思いと行動を共にする方々を応援していく考えも示しました。
政策の軸として5本の柱を発表
経済成長
まずは、大阪の成長です。大阪は元気になったというが、ほんまにそうやろうかと。リーマンショックからの回復は確かにしていますが、全国と比べても回復のスピードは遅くなっています。本来、大阪の持っている力を引き出して、大阪の経済の活性化を目指していく必要があります。
大阪IR
2つ目は大阪IRです。大阪市は既に約790億円を負担するということを決めましたが、今後地盤沈下が生じた場合、どれだけ負担するのかわからない状況になっています。それから当初入っていた展示場が10万平方キロから2万平方キロに、今あるインテックスの3分の1になってしまっている。こんなような状況を見ても、このまま進めていくのは本当に問題が大きい。だから一度ここで立ち止まって、まだ明らかにされていないたくさんの情報を全て出してくださいということを申し上げたいと思います。その上で住民に判断していただくというのが、本来の進め方だと思います。
新型コロナ対策
3つ目はコロナの問題です。47都道府県中、大阪だけが死者数8000人を超えています。国が5類へ引き下げをするという中で、大阪府は一早く様々なこのコロナ事業をこの3月末で打ち切ろうとしています。それでほんとに良いのかということです。何が原因で大阪が突出して多くの死者を出したのか。感染症対策というのは、これで終わらない。今後もまた襲ってくる。そのときに向けて、きちんと科学的・客観的に検証し、必要な対策を講じていくことが必要だと思っています。
教育
4点目は教育の問題。大阪独自のテストを色々と実施していますが、これは過度の競争ではないかと私どもは思っております。そのために現場が大変疲弊をしております。もっと子ども一人一人の理解度、あるいは個性に応じた多様性のある学びの場をつくっていく必要があります。
災害対策
最後は災害対策です。大阪でも北部地震や台風の被害を受けました。南海トラフ地震も近いうちに発生する確率が極めて高くなっています。現在も大阪府・大阪市は色んな対策を講じています。そうしたハード面での対策を急ぐとともに、家庭の耐震化への助成、デジタルテクノロジーを利用した情報提供や避難誘導などソフト面も含めて対策を講じていく必要があると思っております。」
この5本の柱をベースにしながら、幅広く府民市民の方のご意見を聞きながら、政策を練り上げていくためのラウンドテーブル(円卓会議)を実施していくと発表しました。
ごきげんさんなまち大阪に
その後、谷口真由美さん、北野たえこさんが会見場に入り、まず谷口さんから決意表明が述べられました。
「こういう世界に足を踏み入れるつもりは全くなかったんですけれども、いろんな方の熱意に押されました。大阪で生まれ育って、大阪で今、シングルマザーとして子育てをしています。自分の感じる空気感とか、困ってる友人、ママ友、子どもたちをいっぱい見てきた中で、また、学生を育ててきた立場で、大阪が自分たちの代で少なくとも1ミリでも良くなったらいいなという思いがあって、この度チャレンジすることにいたしました。」と今回の挑戦への思いを述べました。
この10年で大阪はよくなったのかと大阪府民に問いかけるとともに、『ごきげんさんなまち大阪へ』を掲げて活動していくと表明。吉村知事についてはロックスター並みの人気があるとしながらも、「ロックスターになってしまった後は、なかなか声を届けにくかったり、聞こえてた声が周りの声にかき消されて聞こえなくなったりっていうのがあると思うんです。いま私は、チャレンジャーなので、声を聞いていきたい。」と語りました。
今回の争点については、「『維新を問う』ことなので、いっぱいあります。大きくはIRカジノっていうのは分かりやすい争点。あと教育も争点かなと。無償化の問題とかもあるんですが、この間、子育てをし、公立中、小学校に子供を入れて育ててきた者として、やっぱり思うこととかがいっぱいあります。」とし、維新政治、大阪IR、教育などについて訴えていく考えを示しました。
挑戦の理由の一つには女性の政治参加を挙げ、「私は学者として女性が政治家になることを後押ししてきました。女性活躍やなんやって言われても、国会の女性議員が例えば1割弱になっている中で、自分が言うてるばっかりでは心苦しい状況になってきた。女性が政治に出ることは並大抵のことではないことを、この間既に感じています。次の世代の女性たちとか、今の世代、私たちの世代の女性たちが『いっぺん選挙出てみようかな』と思えるようになったらいいなと思います。」と語りました。
居心地のいい大阪に
北野たえこさんは目指す大阪市像として、「住んでよし、働いてよし、訪れてよしの三方よしを大切にし、大阪市を居心地のいい先進都市にしたい。人それぞれに居心地の良さというものがあるが、それを大事にしながら、文化・歴史・伝統もあるところに、先進的なDXなどの技術を取り入れて、大胆な変革をするポテンシャルがある。」と語りました。
またその手法として『ラウンドテーブル』を挙げ、「皆さんに寄って来て意見をもらいたい。トップダウンではなくて、みんなで決めていく。地域の方やいろんな分野に長けた方々、そういう力を結集して、大阪の持ってるポテンシャル全てをもっともっと活かせるような仕組み作りが必要ではないか。」と訴えました。
女性の政治参加の重要性にも触れ、「意思決定機関に女性が少な過ぎるために、やっぱりおっちゃん政治になってんちがうかと言われる。私の活動は女性議員を増やすというところに留まっていたんですが、今回このお話をいただいた時に、やっぱり首長にもしっかりチャレンジしていかないとと思いました。」と挑戦の理由を話しました。
無所属での挑戦については、これまで地域のための政治を進めるために『自民より市民』という思いで、時には党方針と違う取り組みも行ってきたとし、「今回は政党の支持とかではなくて、やはり真の市民代表としてしっかりと市民の皆様及び若い起業家さんたち、あるいは職員の皆様、さまざまな団体の皆様と一緒になって、新しい大阪の活力をつくっていきたい。」「基本的な政治姿勢として、鳥の目、虫の目、象の耳を持って取り組みたい。」と語りました。
一番大きな課題としては大阪IRを挙げ、「むちゃくちゃな計画ですよ。内緒事が多く新しいことが次々起こって事態が変わってきていて、計画そのものがいろいろ様変わりしている。」と話し、住民投票のプロセスを通して、十分な情報開示と説明が行われるようにしたいと展望を語った。 最後に小西事務局長から具体的な政策については3月1日に政策発表の場を設ける予定であることが発表されました。